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ホルモン欠乏による症例

PMS (Premenstrual Syndrome)

排卵後の黄体期に始まり、月経開始とともに消失する、周期的な一連の身体的、精紳的症状を示す症候群のことをいいます。月経症候群※とは区別されます。疲労感、乳房緊満感、乳房痛、肌あれ、肩こり、便秘などの身体的症状や、焦燥感、憂うつ感、不安感、頭痛、意欲低下、眠気などの精紳的症状が見られます。

原因として内分泌機能の異常、とくにエストロゲン、プロゲステロンの分泌バランスの崩れ、体内の水分・ナトリウム貯留、心身症的要因、セロトニンの低下、などが考えられていますが、詳細はまだ解明されていません。

診断は比較的簡単ですが、心身症や精神疾患との鑑別を行う必要があります。薬物療法としては、各症状に対する対症療法が行われます。とくに精紳安定薬(エチゾラム、ジアゼパム、クロチアゾラムなど)、利尿薬(フロセミド、アセタゾラミド)の投与において有効例が多いと言われています。排卵の抑制あるいは制御も治療として試みられている。

更年期障害

更年期障害は更年期(一般には「閉経」をはさんだ前後10年:45~55歳くらい)に現れる不定愁訴を総括した症候群のことをいいます。ホルモンの分泌バランスが崩れることによって起こるものであり、器質的な疾患や精紳疾患に伴って起こるものではありません。

ホルモンバランスの崩れは、卵巣機能の低下が主な原因だと考えられています。しかし全ての人に更年期障害が現れるわけではなく、症状の程度は患者によって大きく異なります。更年期は身体的だけでなく、心理的・社会的にも不安定な時期であるので、おそらく心因的な要素が加わっていると考えられています。

急性症状として顔面紅潮・発汗・不眠・イライラなどが、慢性症状として性交痛・泌尿器系障害・腰痛・肩こりなどが見られます。薬物療法として性ホルモン(エストラジオール、エストリオール)・自立神経調整薬(トフィソパム)・精紳安定薬(ジアセパム、クロロキサゾラムなど)が用いられます。貼付剤やクリーム剤、ゲル剤といった外用剤を使うケースも増えています。また心理療法も併用されることがあります。最近では40代以降の男性にも起こることが知られ、特に男性に起こる更年期障害のことを男性更年期と呼んでいます。

気分障害 (うつ病・躁病)

気分障害は外的な状況に直接関係なく、気分の高揚状態(躁病)、または抑制状態(うつ病)が持続する病態です。最近ではうつ病と同義に扱われるようになりました。気分障害は抑うつになることが多く、離人感を伴うこともあります。離人感とは、自分が自分の体の外に出て、他人を眺めるように自分を眺めているような感覚のことを言います。そのため、身体の実感がない、生きている感じがしないといった症状を訴えます。他にも思考の停止、妄想、意欲の低下、睡眠障害、食欲低下、性欲減退、頭痛、疲れやすい、倦怠感などの症状がみられます。抑うつ気分や精紳運動制止は午前中に強く、夕方から夜にかけて軽くなる場合が多く、これを日内運動と呼びます。午前中起きられない、会社に行くことができない、というのはこの日内変動による症状の重さと関係があるのです。

近年精紳的・肉体的なストレスによりうつ病の患者が急増しています。厚生労働省の調査では、「1996年には43.3万人であった総患者が1999年には44.1万人とほぼ横ばいであったが、その後、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人と6年間で2倍以上に増加している」との報告があります。また、性別で比較すると女性の方が1.7倍多く、年齢別だと、男性では40代、女性では60代、70代が多いという結果も出ています。

気分障害は病気です。原因をきちんと取り除いた上で、適切な治療を行わなければなりません。最近では副作用の少ない医薬品(フルボキサミン、パロキセチン、ミルナシプランなど)が販売されるようになりましたが、これらは全てセロトニンと呼ばれる脳内の伝達物質を増やすことにより、症状を改善するものです。他にうつ病の身体症状にはホルモン量が関係しているため、ホルモン補充を行うことで症状を緩和する治療法もあります。

いかなる治療を行うにせよ、一旦自分のライフスタイルを見直して、原因がどこにあるのか、どの治療が最も自分に合っているのかをきちんと考えてお医者さんとしっかりコミュニケーションをとりながらゆっくり治していくようにしましょう。